万ちゃん(村上万里)のバリアフリーよもやま話 言いたい放言

 私は東京都発行の2級の身体障害者手帳を持つ身体障害者です。具体的には、脳出血の後遺症で身体の左半身にまひがあり、通常の歩行は困難で、普段は介護保険のサービスで、車いすを借りて、使用しています。左腕もほぼ不自由な状態です。また、左足はひざから下、足底までを固定するように補装具を装着しています。この補装具はリハビリテーション病院に入院しているときにリハビリテーション科の医師の指示書で、医療の一環で作りました。また、その入院中にその医師に診断書を書いてもらって、市役所の障害福祉課の窓口に申請して、診断書に基づいた2級という等級判定の身体障害者手帳を発行してもらいました。その後期間延長を許され、150日プラス30日で、180日間のリハビリテーション病院入院を経て、介護保険のお世話になって、リハビリ目的で老健に入所し、そこを退所して自宅に戻って、14か月が経過したところです。

 そんな中、最近になって、左足の補装具の足底部と留め具のマジックテープに不具合が発生して、修理する必要が出てきたのですが、今後のことも考えて、最初に製作してくれた義肢屋さんではなく、自宅近辺を営業範囲にしている義肢屋さんを探して修理を依頼しました。その際にその義肢屋さんに教えてもらったのですが、市役所の障害者福祉課に相談してマスターカードを発行してもらうと自己負担なしでずっと補装具をつくることができるとのことでした。不正確ながらも、概要を記すと、障碍者福祉課経由で東京都の障害者福祉センターで認定を受けると障害者福祉予算で補装具を貸与してもらえるというものでした。補装具ですから当人に合わせて製作するので当人専用の永久貸与補装具、実質的に行政負担で製作してもらえるということなのです。本当にありがたい制度です。そうなのですが、ここまでに記したように、このことを知ったのはつい最近だということ、家人が何度も窓口に足を運んでいたのにです。しかも、障害者本人が障害者センターに足を運ばなければならないということ、医師が書いた診断書に基づいた障害者手帳を発行しているのに、わざわざ障害者センターまで障害者本人が行かなければならないということなのです。でその障害者センターは飯田橋か国立なのです。優しくないですよね。せっかくのありがたい制度なのに、です。残念でなりません。

 自分が身体障害者になったのでわかったこと、感じたことがたくさんあります。今回は、せっかくのありがたい制度なのに、ちょっとだけ足りないので残念という話でした。バリアフリーとは、障害者や高齢者への配慮ではなく、すべての人にやさしいということなのです。そういう視点で制度も眺めてみてください。