万ちゃん(村上万里)のバリアフリーよもやま話 バリアフリーってどうすればいいの?

  みなさんは「バリアフリー」という言葉を耳にすると何を思い浮かべますか?施設などの事業を展開している方は「めんどくさいな」「お上もうるさいし、とりあえずやっとくか」という思いが正直なところかもしれません。でも、どうでしょう。スポーツをしていて、転倒骨折したとか交通事故で大怪我とか、また少し年齢を重ねてくると、自然に足腰が弱くなったり病気になったりとかで、元気な頃にはなんの問題でもなかったものが、障壁・バリアと化すのです。まさに「老い病い 明日は我が身だ 要介護」なのです。

 ただ、実際には、ほとんどの方は頭の中で、こうすれば車いすの人でも、と考えていただいているわけですよね。一生懸命に考えていただいて、通常ならバリアになってしまうところをブレイクバリアしてくださっているのでしょう。ですが、そこはやっぱり車イス利用者当人の使用感を確認して、その感覚を反映して活かすことで、本当に有用なバリアフリー設備になると思うのです。

 しかし必ずそうしたことができるとは限らないでしょう。そんな設備を補うものがハートフルアクト、心のバリアフリーなのです。実はこれが一番のバリアフリーだと思うのです。先ほど、設備を補うものがハートフルアクト、心のバリアフリーだと前述しましたが、それは逆です。ハートフルアクトをサポートしてくれるのがバリアフリー設備だと思います。

 誰も病気になりたいとか怪我をしたいとかまた早く年を取って足腰が弱くなりたいとか考えていないはずです。でもそうなってしまうことは、何ら不思議なことではないのです。私もまさか大病して車いす生活になるとはこれっぽっちも考えていませんでした。ただ現実にそうなってしまうと、世の中の様々な所、様々な場面で障壁や不便さを感じるのです。そして思うのです。「世の中に暮らす同じ境遇の人も同じ思いをしているはずだ」と。そして「こうなってしまった自分だからこそできること、こんな自分じゃなきゃできないこと」があるな、と。それは、発言者、仲間の代弁者であり続けること、「すべての人に優しいバリアフリー共生社会の実現」を声高に叫び続けることだ、と。