万ちゃんのバリアフリーよもやま話 一年ぶりにショートステイしてきました。

 1月31日から昨日まで、早朝から深夜までになるという妻の仕事の都合で、介護老人保健施設ショートステイ(短期入所)していました。施設への入所・お泊りは一年ぶりのことで、脳疾患で倒れた年に、リハビリ病院の後に、リハビリ目的で別の老健に入所していた時のことを思い出しました。
 その時もそうでしたが、入所するということは、短期であれ、そこは居住空間です。いかに快適に生活できるかということになりますよね。そのポイントは施設の様々なハードとソフトです。ハードの面では、さすがに介護目的の施設なので、与えられた個室も含めて生活スペースはフルフラットのバリアフリーで、足元がおぼつかない利用者にとってはとても安心感のある充実したバリアフリー環境でした。
 それもさることながら、ソフトの部分であるスタッフの皆さんの、仕事の域を超えた心遣いが詰まったような日常の生活介助は必要十分な心地良いものでした。具体的には、健康観察に始まり、三食プラス10:00と15:00のおやつ、入浴の介助、加えて、利用者一人一人に合わせた理学療法士作業療法士によるリハビリも行われます。おまけに、三日の日は節分ということで、鬼に扮したスタッフにやわらかいボールをぶつけるという疑似豆まきイベントが行われました。鬼は外と言ったのは娘たちが保育園児のころ以来なので本当に何十年ぶりのことでしたが、頭に浮かんだのは孫たちの顔でした。通常なら保育園でも豆をまいたところでしょうが、コロナ禍の今はどうしているのだろうと、何もできていないとしたら、かわいそうだなと思いつつも、少しにやけている自分に気づきました。
 私は日頃、リハビリと入浴サービスのためにデイケアに通っていますが、今回も入所している高齢者は、デイケアに通ってきている高齢者に比べて、明らかに要介護度が上の方が多いなと感じました。毎回感じることですが、こういう施設のスタッフは、仕事とはいえ、本当にたいへんだなと思いました。介護保険制度は私のところのような家庭ばかりではなく、高齢者や障害者を抱えた家庭にとっては非常にありがたい制度だと思います。いずれにせよ、バリアフリーのキーポイント、基本はヒトなんですね。ハードの充実もさることながらそれを運用するソフトの面はヒトにかかってくると思うのです。
 私は公共的な「バリアフリートイレ」の適正利用を訴えていますが、これもハートワーク、つまり「気づいて気遣うバリアフリー」「心で(描く)(創る)(拓く)バリアフリー」なのです。健常者の皆さんには、決して障壁人(バリアン)にならないでいただきたいのです。「健常者」=「ノンバリアン」でお願いします。