万ちゃんのバリアフリーよもやま話 「啓発キャンペーン始めます!」

 私は身体障害程度2級の身障者で、日常的に車イスを利用して生活しています。ではあるものの、できるだけ一般の健常者の方と同様に、社会の中で社会生活を送りたい、少しでもお役に立ちたい、経済活動に参加したいと思い、健常者の手を煩わせることなく外出する努力をしています。しかし、一般の方と同様には自由に動くことができないのが、高齢者であり、障がい者です。そのことを認識していただき理解していただきたいというのが私のような身体に不自由な部分を持つ者の願いです。私も好き好んで不自由な部分を持ったのではありません。突然の病気でそうなってしまったのです。身体の不自由は、加齢、事故、病気が原因です。つまり、誰にでも起こりうるのです。で、そんな身体で外出する際には不安材料をいくつも抱えながらの外出になります。それは、ちょっとした歩道の道幅、段差、そして横断歩道手前の傾斜地であり、最大の不安はトイレです。

 昨今は、法律や条例で規定されていることもあり、どんな施設にも車イスのまま入室できる「バリアフリートイレ」が設置してあり、備えている設備が明示してあり、「誰でも」という表示が外されていますのでとてもありがたく、外出時の不安が低減されています。しかし、時々、私にとってはたいへん迷惑な行為に遭遇します。それは、本来の目的であるバリアフリートイレとしての利用ではない行為による占拠です。「バリアフリートイレ」に使用中の表示が出ているので、前で待っていると、中から出てくる人が、車イスや杖、乳幼児連れの親子の場合は半分以下なのです。それは、更衣化粧室代わりに使用したであろう人であったり、中で何をしていたのか、同世代の男女のこともありました。この前は、とあるバリアフリートイレにすれ違いに入室したところ、ものすごいタバコの臭いがしました。

 私は、東京2020パラリンピックの開催を契機にした身障者に対する意識の高まりを、ユニバーサル社会、バリアフリー共生社会の実現に向けての絶好のチャンスと受け止め、私の主宰する“ブレックバリア 当事者目線バリアフリー研究所 https://www.break-barrier.com/ ”の当面の活動テーマとして、「バリアフリートイレ」の適正利用について広めることを掲げ、活動しています。

 ということで、健常な国民の皆様には、体に不自由な部分を持つ者の行動の実際について知っていただくとともに理解をして、ハートフルアクトにつなげていただきたく思っています。いわば「気づいて気遣うバリアフリー」であり、「心で(描く)(創る)(拓く)バリアフリー」をお願いしたいと思うのです。これが、「誰にだってできるバリアフリー」であり、「バリアフリー共生社会」「ユニバーサル社会」の基本なのです。