万ちゃんのバリアフリーよもやま話 「私にできるちょっとしたこと」

 私の地元の東久留米市から始め、私の生活圏の企業及び自治体、さらには東京の23区すべてに働きかけた「多目的誰でもトイレの多目的優先トイレ化と優先表示推進活動」ですが、ここのところで、国土交通省や東京都、加えて自民党ほかの各政党の意見受付欄に投稿し、働きかけ活動としては一区切りついたところです。その過程で感じたのは、それぞれの受け止め方や対応のちがいです。中には感動するぐらいにきちんと返答をくださるところもあれば、「バリアフリー法に則ってやっている。ご理解ください」でほぼゼロ回答のところもありました。まあ、多くのところは「担当部署に報告し、今後の参考にさせていただきます」なのですが、そうご連絡をいただいていたイトーヨーカドーさんは地元の東久留米店が、すぐにトイレ出入り口に表示してくださり、少し感動を覚えました。

 また、感動を覚えたといえば、豊島区さんの対応でした。東京都の動きの絡みもあるのですが、「東京都福祉のまちづくり条例施行規則」が改正されるのに伴って、だれでもが利用できる旨の表示から便房内の車いす使用者向けの機能を表示することで、配慮を促す表示に変更するとのことで、その改正に基づき、トイレの各機能を真に必要な人が使えるようにするために、区有施設を所管する各課に対し、広報・周知に努めてまいりますので、理解をと連絡をもらいました。私としては、私の理想的は方向に進み、「多目的誰でもトイレの多目的優先トイレ化と優先表示推進活動」の成果としては満点、いやそれ以上のものとなったのです。

 もうひとつ感動があったのは練馬区さんです。要望を投稿してすぐに検討して連絡しますというメッセージはもらっていたのですが、プレッシャーをと思い豊島区さんの対応を連絡したところ、豊島区さんと同様の連絡をもらいました。さらに、日ごろの活動として「私にできるちょっとしたこと」というパンフレットを作成して、多機能トイレしか使えない人がいることや、一般トイレが使える人は使用を控える「ゆずりあい」についての周知とユニバーサルデザインの普及啓発図るために、区内小中学校やイベントで配布しているとのことでした。私の意図したトイレにとどまらず、その先にある共生社会への歩みを感じました。

 私は日頃からバリアフリーの基本は「気づき(認知)」と「理解」と「実装」ですと記していますが、一言でいうと「心のバリアフリー」ですね。練馬区さんの「私にできるちょっとしたこと」はまさしくそれだと思います。本当にちょっとしたことなのです。誰にでもできるちょっとしたことの積み上げがあれば、共生社会はすぐに実現しそうな気がします。